2015年07月24日

“Children, watch out for baobabs!”

はいたいニコニコ

皆様、お元気ですかはてな

またまた台風が接近していますねびっくり!

受講生の皆様にはまた改めてご連絡差し上げたいと思いますよつば

さて、昨日は英語で学ぼうシリーズに新講座が登場びっくりということで、西洋歴史文化講座についてご紹介いたしました。

英語で学ぼうシリーズといえば、他にも沖縄歴史文化講座や、英語で読む『星の王子様』を予定しています。音符オレンジ

英語で学ぼうシリーズびっくり
キラキラ 英語で読む『星の王子様講座』(前半)キラキラ 


曜日・時間帯: 水曜日・14:00~16:00
場所: 銘苅教室
期間・時間数: 10/14~12/16・10日×120分
料金(受講料・入学金・テキスト代込):31,650円

“Children, watch out for baobabs!”


第五章はstorytellerであるpilotがthe little princeの為に描いた”sheep”が「成長する前の小さいバオバブ”little baobabs”を食べてくれるのか?」という不思議な質問で物語が始まります。

普通の大人だったらきっと「ちょっとわけのわからない事を子供が言っている」という扱いで、「巨大なバオバブが小さい時だったら確かに羊さんでも食べることができるね・・。面白いこと言うね・・。」などと話を適当に合わせて深く追求はしないかもしれませんね。ところが物語はリアルな警告へと発展します。

実はThe Little Princeの第5章は“the drama of the baobabs” と作者が強調するとおり、 「baobabsをほっておくと“they burst it (the planet) into pieces” (星を粉々に破壊する)事になるかもしれない、つまり”catastrophe” (大惨事)になりかねないほどの重大な“risk”を警告するために書かれた章である。。。」と唱える学者が出るほど「謎」に満ちた、又その解釈に多くの説が存在するcontroversialな章で知られているのですよコレ!

実際、作者は、“I don’t like assuming the tone of the moralist” (モラリストっぽい口調はあまり好きではないが), “I am making an exception to my habitual reserve”(普段は慎み深い自分だが今回は例外的に)という前置きをしたあとで、“Children, watch out for baobabs!’”と読者へのメッセージとも受け取れるはっきりとした警告を発しています。

The Little Princeが語学教材として優れていると感じるのは、discussionやdebateに発展する要素がたくさん詰まっている点なのかもしれません。ちなみにバオバブの木は、第二次世界大戦中のドイツのナチス党やイタリアのファシスト党に関連づけて議論されることがよくあります。

例えばある大学の英語のクラスでは、第5章のバオバブの危険性について考えるために、第一次世界大戦から第二次世界大戦までのヨーロッパの国々の状況についてリサーチして授業で発表してもらいました。その中に興味深い発表があったのでご紹介します。

「ドイツのナチス党は最初の頃は決して過激で危険な印象ではなく、むしろ数年で国内の景気を回復させたことで国民から圧倒的な支持を得て大きな組織として成長していった。しかし後半では歴史で知られる通りの非人道的で破壊的な組織となりだれにも止められないほど大きな邪悪な組織へと成長してしまった。。。」という発表があり、思わず大きくうなずきました。もちろんその後のdiscussionでは、「邪悪なものも小さいうちは美しい薔薇と見分けがつかないほど “innocent”で “harmless”な存在に見えるが、ほっておくと大きくなりすぎて、全く手が付けられなくなってしまう」というメッセージを導き出したグループがありました。(ちなみにウィキペディアでは、物語中の「3本のバオバブの木を放置しておいたために破滅した星、はドイツ・イタリア・日本の枢軸側の3国に適切な対応をしなかったため、第二次世界大戦を引き起こした国際社会」であるという「異説」を紹介しています。※参照:ウィキペディア

授業が終わった後、ボーっと校内を歩いていると、現代日本における憲法問題や、昨今の日本の政治がファシスト的動きであると批判する掲示物がやけにリアルに目に映り思わず「冷」っとしました。「平和は一度破壊されるともとに戻すことは困難」なのだという事を改めて考え、日本の行く末を案じ思わず不安な心境になりました。

The Little Princeは子供向けのファンタジーという主張もあるようですが、「歴史」が「現在」とつながっていると実感させられる普遍的なメッセージを多く含んでいます。 “Critical Thinking”を養ってくれる一冊ではないでしょうか。“Children, watch out for baobabs!” ・・・忘れてはいけないメッセージかもしれません。



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Posted by NPO沖縄語学センター at 12:48│Comments(0)星の王子様
 
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