2018年08月11日

疑問文って5文型に矛盾しない?

こんにちはこんばんは花笠花笠


事務局の前原です(。>ω<)


実は僕の前職は塾講師なんですね(唐突)



もちろん本業は学生な訳ですが、、、


自身も勉強中の身でありますが、少し前まで人に教えていました。



来月から別の塾で期間限定で塾講をするかもしれないのですが、新たな学びに繋がるのではないかと少し期待しております。



生徒から学ぶ事はとても多いです。



自分では当たり前の事だと思っている事でも生徒に質問されると結構際どい事も多々あります。


もしかすると人に教える事が一番の学習方法かもしれませんね。



ブログのネタがつきそうになったら生徒に貰った質問の中で秀逸なもの(最も彼らの持つ素朴な疑問に無価値なものなどありませんが)を紹介していこうと思います。

(あ、別に今日はネタが尽きたからこのトピックにした訳ではないですよ)



これらの質問は中高生に貰ったものなので、もしかすると語学センターの受講生の方には少し退屈なお話かもしれません。


受講生以外の方でもこのくらい知ってるよ!という方もいるかもしれませんが、もし興味のある方がいましたらぜひ読んで下さい。




さてさて、今日紹介したい質問は以下の2つです。


①「この前1つの文に動詞は1つまでと言っていたが、Do you like dogs のように疑問文にはdoとlikeの2つの動詞が入っているのはなぜですか(*´д`)??


②「疑問文って5文型に当てはまらなくないですか(*´д`)??



本当は一個ずつ紹介するつもりだったのですが、上記の2つは関連が深い為、同時に紹介させて頂きます。




まず最初の質問ですが、確かに彼女(質問してくれた生徒)の指摘してくれた通り、do you like dogs?という疑問文には動詞が2つ入っています。




それでは1つしか入っていない疑問文ってどんなのがありますか?


例えば


(1)Can I play the piano?

ピアノを弾いてもいいですか



これは動詞が play の1つしか入ってませんよね。


これを平叙文、つまり普通の文にするとどうでしょう?



(2)I can play the piano.

私はピアノを弾けます



となりますね。



この事より助動詞の入った疑問文は


疑問文って5文型に矛盾しない?


このように助動詞と主語を入れ替える事により作る事が出来ます。




それでは助動詞の入っていない、例えば



(4)You like dogs.

あなたは犬が好きです



なんて文はどのように疑問文にすれば良いのでしょうか?もちろん



(5)Do you like dogs?

あなたは犬が好きですか



ですよね。


勘の良い方はお気づきかもしれませんが、do は助動詞です。

えーーーーー!!!!!びっくり!びっくり!って感じですよね。知らなかった人からすると。


知っていた人からすると結構当たり前ですが。


信じられない方はぜひお手元の辞書を引いてみて下さい。



むしろ僕の使っている辞書では助動詞の方が先に出てきますよ。



つまり、疑問文の作り方としては、


疑問文って5文型に矛盾しない?

こーゆー事ですね。

通常平叙文において助動詞doが姿を現す事はありません。


もちろん、たまーに出てくる事はありますよ。


後に続く動詞を強調する時に出てきます。



例えば、


(6)I do love you.

愛してる(良い訳が思いつきませんでしたガ-ン



なんてのを映画とかでよく見かけます。


まあとりあえず普段は出てこないが、存在しない訳ではないという事ですね。



つまり、①の質問「この前1つの文に動詞は1つまでと言っていたが、Do you like dogs のように疑問文にはdoとlikeの2つの動詞が入っているのはなぜですか??」に対する答えとしては、


A:ここでのdoは動詞ではなく助動詞です。


といったところでしょうか。


ちなみに。


doが助動詞なんて絶対に認めないという方、非常に残念なお知らせですが be動詞や have も助動詞です(とどめ)。


でも安心して下さい。


確かに私たちが普段使っている助動詞らしい助動詞(canとかwillとか)との間には明確な一線があります。



話が難しくなりすぎてしまう事もそうですが、僕の浅い知識であまり専門的な事に関して軽々しく言及すべきではないと思うので助動詞の話はこの辺りにしておきましょう。



どうしても気になる人は「法助動詞(model)」「相助動詞(aspect)」でググってみて下さい。


めちゃくちゃ興味深いですよニコニコ鉛筆



あ、あとdoやbe動詞もそうですが、基本的な単語こそ辞書で調べると面白かったりしますのでオススメです


とりあえずまた、①のパートでの知識が②でも出てきますのでよく覚えておいて下さい。




続いて2つ目の質問

②「疑問文って5文型に当てはまらなくないですか?」


に関してです。


また疑問文に関してです。

5文型?なんのこっちゃ!?という方の為に少し5文型の復習をしましょう。

5文型がOKな人は少し飛ばしましょう。



5文型とは以下の5つの文の種類の事です。



疑問文って5文型に矛盾しない?


主語と動詞はなんとなく大丈夫でしょう。



目的語は動作の対象となる語です。



上記の②では love の対象となっているのは you である為、 you が目的語であると言えます。




補語は主語や目的語となる名詞を説明する語です。



③であれば、Iがなんなのかを説明する a student が補語ですね。(この場合は不定冠詞も含まれる為、補部と言った方が適切かもしれません)



④、⑤に関しても同じです。




高校で英語の文章はこの5つに分類する事が出来ると習います。



が、しかし、もちろん全てを分類する事などは到底無理です。



でもまぁ大体はこれに収まると思っていただいて大丈夫かと思います。



ちょっと雑な説明ですがここはメインではないのでこの辺で。



質問のある方は先生に聞きましょう。もしくはコメント欄まで。




で、ここからが本題です。


疑問文、せっかくなので Yes-No question(open-endedquestion)ではなくより複雑なWh疑問文(closed-ended question)を例に取りましょう。




(7)What do you want?

何がほしいですか



より複雑なとか言いましたがあまり複雑な文にすると僕のキャパシティを超えるのでシンプルなWh疑問文という事でこの辺で勘弁して下さい。


先ほど全てを分類するのは無理であると言いましたが、例外の多すぎる規則はもはや規則としての機能を失っていると言ってもよいでしょう。



疑問文は全て例外です!とか言った日には伝統文法(学校で教えているの)は崩壊します。



それではどのようにこの問題を解決するのか。


それは移動という統語現象です。


倒置はさっき確認しましたよね。


主語と助動詞が入れ替わるやつです。


それでは移動について見ていきましょうアップ




先ほどの5文型に照らせば目的語は動詞の直後に来ますよね。



What(何)という名詞を目的語として動詞の後ろに持っていってみましょう。

*は非文法的な文つまり間違った文って事です。



(8)*?? You want what?


あなた 欲しい 何 ?




なんとなく日本人にはこちらの語順が受け入れやすいと思うのですが私だけでしょうか。



まあそれは置いておいて、(8)は意味をなさないので非文ですが、SVOという統語構造をとる為一概に間違っているといっていいものがは不明です。


ぶっちゃけ意味をなさないと言っていいかも怪しいですよね。場合によっては You want what? って言いますから。


正しいか否かの判断は議論の別れるところではあると思いますが、僕たちがよく見る疑問文でない事は確かです。



疑問文にする為に疑問詞を文頭に持って来ます。


これを移動、特に今回はWh移動(Wh movemnt)と言います。




その結果こうなります。どん。


(9)*What you want?


まあこれは非文と言って良いでしょう。


関係代名詞っぽくはありますが疑問符がついているのでやはり非文です。



ここで先ほどの倒置が炸裂します。


この場合を特に「名詞句ー助動詞倒置」と言います。



早速ひっくり返してみましょう!



(10)What do you want?

あなたは何が欲しいですか?



素晴らしい!!


このように私たちのよく知っている疑問文を作る事が出来ました。


まとめると、

疑問文って5文型に矛盾しない?


こんな感じです。

ちなみに変形前を深層構造」、変化後を「表層構造」と言います。


変形前(深層構造)は先に示した5文型に当てはまりますよね。


だから実は疑問文すらこの5文型に当てはまるんだ!!

と、まぁこんな感じで質問の答えとさせて頂きます。


もちろんYes-No疑問文(do you~?)とかも倒置前が5文型に当てはまるのでOKです。




ところでなぜ僕がこの質問を秀逸なものであると判断したのか?


それはこの疑問が生成文法という最新の文法理論によって説明する事が出来るからです。


先ほど僕が説明に使用した移動や倒置、深層構造や表層構造という考え方はこの生成文法という理論の一部です。



この理論を発明したチョムスキーもまた、既存の文法事項と疑問文の構造違いに疑問を持ちました。


この疑問を解決するのが生成文法です。


もっともチョムスキーの場合は5文型ではなく、別の既存の考え方との矛盾を指摘したわけですが。



僕もこの生成文法には興味がありますが、まだ勉強の真っ最中である為、あまり深い事は言えませんのでこの辺で閉じておきます若葉マーク若葉マーク


もっと詳しく知りたい方は、町田健著:「生成文法がわかる本」を読んでみて下さい。


この本で基礎的な理解をした後に、渡辺明著:「生成文法」を読むといいと思います。


僕のおすすめの2冊ですラブハート


疑問文って5文型に矛盾しない?                 疑問文って5文型に矛盾しない?


なにはともあれそんなすごい人と同じ疑問を持つなんてもの凄いですよねびっくり!


故に秀逸な質問であると判断しました。


自分とそう年の変わらない生徒がこんな事を思いつくなんて、才能に嫉妬してしまいそうです炎



僕もまだまだ勉強が足りませんねガ-ン

今後もっと勉強して面白い記事を書いていきますね鉛筆



それにしても今日の内容はハードすぎました。


基本的に可愛い記事を書くように努めているのですが内容がヘビー過ぎて途中で可愛くするのを全く忘れていました(๑˃̵ᴗ˂̵)و ←遅い

とりあえず今日はもう内容が僕のキャパを超えそうなのでこの辺にしておきます。


ぜひ次も読んで下さいね₍₍ ◝('ω'◝) ⁾⁾ ₍₍ (◟'ω')◟ ⁾⁾




事務局 前原




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Posted by NPO沖縄語学センター at 20:23│Comments(0)スタッフの呟き
 
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