2018年08月10日
海外にいても英語が上達しない!!??
こんにちはこんばんは
事務局の前原です(●・ω・)ノ
夏ですね。暑いですね。(●・ω・)ノ
今日はとっても暑いので少し怖い話でもしましょう
かなり雑なフリですが早速始めたいと思います。
皆さん最近の外国語学習の調子はどうですか?
捗っておりますか?
外国語を学習する際に私たちは積極的に新しい学びを獲得する事考えなくてはなりません。
これを怠ると何年経っても全く成長しないという事もありえるのです。
Lardiere (2007) はUltimate Attainment in Second Language Acquisition: A Case Studyという書籍において衝撃的な研究を発表しました。
この研究は筆者が中国人の友人 Patty の英語の使用を分析したものです。
Patty は中国語母語話者で英語は彼女にとってセカンドです。
しかし、彼女は米国にて修士号を取得し、米国人と結婚、かなり長い間米国に住んでいて、同国にて仕事もしています。
しかしながら、彼女の英語使用には所々動詞の過去形形態素に関する誤りが見られたそうな。
そこで筆者は1986年(滞在10年目)に一回と1995年(滞在19年目)二回 Pattyの発話データとメールなどにおける書かれたデータを分析しました。
以下の表は彼女の発話中の動詞の過去形の活用の習得率を示しています。
見て下さい!!!!!!!
約20年間アメリカに住んでいて、学位も取っている彼女の動詞の過去形形態素の使用における正確性が30%台です!
しかも全く成長していない!!!!
この現象はおそらく化石化(fossilization)と呼ばれるものにあたります。
迫田 (2002) の定義によれば化石化とは
「第二言語の学習者の習得過程においてある項目や事柄が誤用のまま進まないでいつまでも誤用として残ってしまう現象」
とのことです。
なぜこのような化石化と呼ばれる現象が生じてしまうのでしょうか?
考えられるファクターはいくつかありますが、僕が今ぱっと思いつくのは以下の2つです。
①動詞の過去形の活用が彼女(中国人?)にとって相性が悪かった。
②多少ミスったところで発話内容に深刻な影響を与えない為学習を疎かにした。
前者に関しては僕は中国語が全くわからないので彼女の母語がどのように彼女の第二言語習得に影響を与えているか考察が出来ません。
今回注目して頂きたいのが②の方です。
そのほかに事に関しては分かりかねますが少なくとも外国語学習においては如何なる理由があったとしてもある項目や事柄を不完全なまま放置しておくと何十年経っても成長しないという事です。
彼女はアメリカに住んでいたにも関わらず20年間動詞の活用に関しての精度を上げる事が出来なかった事を考えると、留学や授業を聞いているだけといった環境に依存した外国語学習には限界がある事が言えそうです。
これめちゃくちゃ怖くないですか!!??Σ (´Д`ノ)ノ
これを知った時には本気で震えました
やはり積極的に学んでいく姿勢が大事という事ですね
さてさて、私たち日本人が外国語学習において後回しにしやすい項目とはなんでしょうか?
僕は英語しかわからないので(英語も際どいです)英語に関する項目であげたいと思います。
おそらく冠詞ではないでしょうか。
英語以外の言語にもありますが前述の通り僕は英語しか分かりません(英語も以下省略)。
そのためここでは英語の冠詞に絞ってお話をしますね
日本人(他の国の英語学習者は知りません)の冠詞の選択における定冠詞 (the) の過剰使用は結構前から指摘されています。
その理由は石田 (2002) によると
”英語母語話者が名詞を使う場合、その名詞をどのように認識するかによっ て、ゼロ冠飼 (冠詞を付けない場合)、不定冠詞α、定冠詞theのいずれかを選択する。その際、不定冠詞α と定冠詞theを区別する素性ほかに、冠詞と関わる名詞が、与えられた文脈におい て可算名詞か不可算名詞かの区別、さらに、可算名詞なら、 それは、単数なのか、あるいは、複数なの か も考慮しなければならない。それ ゆえ、可算名詞と不可算名詞の区別の習得なしには、不定冠aおよびゼロ 冠詞の習得は難しい 。しかしながら、可算名詞と不可算名詞の習得は容易ではない。それは日本語の文法システムにはそのような名詞の区別は存在しない からである。加えて、可算名詞か不可算名詞かの区別は、統合的に処理できる性質のものではなく、冠詞と同じように、母語話者の認知の仕方と関わってい るという厄介な問題がここでも生じるからである。 そのためか、日本人英語学習者は、ゼロ冠詞、不定冠a定冠詞theの選択で迷った場合、定冠詞theを頻繁に用い る傾向がある”
との事です。
うん。意味が分からんという方。つまりですね、迷ったらハズレのない the みたな考え方の人が多いという事です(僕もそうです)。
このように冠詞は名詞に対して数の概念の薄い言語を母国語とする日本人には習得がかなりハードなんです。
しかもこの冠詞の恐ろしいところは、多少みすっても発話内容にそれほど深刻な影響を与えないというところです。
先ほど動詞の過去形の話の際も同じ事を言いましたが、冠詞はそれよりもさらに発話内容に与える影響は少ないと思われます。
だって動詞が内容語 (content word) なのに対して冠詞は機能語 (function word) ですよ
それは発話内容に与える影響は少ないですよ
というわけで話がいまいちまとまっていませんが、この記事で言いたかった事は学習を疎かにすると良い環境にいても全く成長しないという事もありえるという事です
そして私たち日本人にとって化石化が起こりやすい項目は冠詞ではないかという事ですね
環境に依存した学習にはいずれ限界がきます。
僕は今日からその事を胸に英語学習に励みたいと思います
以上、僕のめちゃくちゃ怖い話でした。
事務局 前原
事務局の前原です(●・ω・)ノ
夏ですね。暑いですね。(●・ω・)ノ
今日はとっても暑いので少し怖い話でもしましょう
かなり雑なフリですが早速始めたいと思います。
皆さん最近の外国語学習の調子はどうですか?
捗っておりますか?
外国語を学習する際に私たちは積極的に新しい学びを獲得する事考えなくてはなりません。
これを怠ると何年経っても全く成長しないという事もありえるのです。
Lardiere (2007) はUltimate Attainment in Second Language Acquisition: A Case Studyという書籍において衝撃的な研究を発表しました。
この研究は筆者が中国人の友人 Patty の英語の使用を分析したものです。
Patty は中国語母語話者で英語は彼女にとってセカンドです。
しかし、彼女は米国にて修士号を取得し、米国人と結婚、かなり長い間米国に住んでいて、同国にて仕事もしています。
しかしながら、彼女の英語使用には所々動詞の過去形形態素に関する誤りが見られたそうな。
そこで筆者は1986年(滞在10年目)に一回と1995年(滞在19年目)二回 Pattyの発話データとメールなどにおける書かれたデータを分析しました。
以下の表は彼女の発話中の動詞の過去形の活用の習得率を示しています。
見て下さい!!!!!!!
約20年間アメリカに住んでいて、学位も取っている彼女の動詞の過去形形態素の使用における正確性が30%台です!
しかも全く成長していない!!!!
この現象はおそらく化石化(fossilization)と呼ばれるものにあたります。
迫田 (2002) の定義によれば化石化とは
「第二言語の学習者の習得過程においてある項目や事柄が誤用のまま進まないでいつまでも誤用として残ってしまう現象」
とのことです。
なぜこのような化石化と呼ばれる現象が生じてしまうのでしょうか?
考えられるファクターはいくつかありますが、僕が今ぱっと思いつくのは以下の2つです。
①動詞の過去形の活用が彼女(中国人?)にとって相性が悪かった。
②多少ミスったところで発話内容に深刻な影響を与えない為学習を疎かにした。
前者に関しては僕は中国語が全くわからないので彼女の母語がどのように彼女の第二言語習得に影響を与えているか考察が出来ません。
今回注目して頂きたいのが②の方です。
そのほかに事に関しては分かりかねますが少なくとも外国語学習においては如何なる理由があったとしてもある項目や事柄を不完全なまま放置しておくと何十年経っても成長しないという事です。
彼女はアメリカに住んでいたにも関わらず20年間動詞の活用に関しての精度を上げる事が出来なかった事を考えると、留学や授業を聞いているだけといった環境に依存した外国語学習には限界がある事が言えそうです。
これめちゃくちゃ怖くないですか!!??Σ (´Д`ノ)ノ
これを知った時には本気で震えました
やはり積極的に学んでいく姿勢が大事という事ですね
さてさて、私たち日本人が外国語学習において後回しにしやすい項目とはなんでしょうか?
僕は英語しかわからないので(英語も際どいです)英語に関する項目であげたいと思います。
おそらく冠詞ではないでしょうか。
英語以外の言語にもありますが前述の通り僕は英語しか分かりません(英語も以下省略)。
そのためここでは英語の冠詞に絞ってお話をしますね
日本人(他の国の英語学習者は知りません)の冠詞の選択における定冠詞 (the) の過剰使用は結構前から指摘されています。
その理由は石田 (2002) によると
”英語母語話者が名詞を使う場合、その名詞をどのように認識するかによっ て、ゼロ冠飼 (冠詞を付けない場合)、不定冠詞α、定冠詞theのいずれかを選択する。その際、不定冠詞α と定冠詞theを区別する素性ほかに、冠詞と関わる名詞が、与えられた文脈におい て可算名詞か不可算名詞かの区別、さらに、可算名詞なら、 それは、単数なのか、あるいは、複数なの か も考慮しなければならない。それ ゆえ、可算名詞と不可算名詞の区別の習得なしには、不定冠aおよびゼロ 冠詞の習得は難しい 。しかしながら、可算名詞と不可算名詞の習得は容易ではない。それは日本語の文法システムにはそのような名詞の区別は存在しない からである。加えて、可算名詞か不可算名詞かの区別は、統合的に処理できる性質のものではなく、冠詞と同じように、母語話者の認知の仕方と関わってい るという厄介な問題がここでも生じるからである。 そのためか、日本人英語学習者は、ゼロ冠詞、不定冠a定冠詞theの選択で迷った場合、定冠詞theを頻繁に用い る傾向がある”
との事です。
うん。意味が分からんという方。つまりですね、迷ったらハズレのない the みたな考え方の人が多いという事です(僕もそうです)。
このように冠詞は名詞に対して数の概念の薄い言語を母国語とする日本人には習得がかなりハードなんです。
しかもこの冠詞の恐ろしいところは、多少みすっても発話内容にそれほど深刻な影響を与えないというところです。
先ほど動詞の過去形の話の際も同じ事を言いましたが、冠詞はそれよりもさらに発話内容に与える影響は少ないと思われます。
だって動詞が内容語 (content word) なのに対して冠詞は機能語 (function word) ですよ
それは発話内容に与える影響は少ないですよ
というわけで話がいまいちまとまっていませんが、この記事で言いたかった事は学習を疎かにすると良い環境にいても全く成長しないという事もありえるという事です
そして私たち日本人にとって化石化が起こりやすい項目は冠詞ではないかという事ですね
環境に依存した学習にはいずれ限界がきます。
僕は今日からその事を胸に英語学習に励みたいと思います
以上、僕のめちゃくちゃ怖い話でした。
事務局 前原
Posted by NPO沖縄語学センター at 23:55│Comments(0)
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